シングルマザーが心の支えにしていること|拠り所が必要な時はどうする?

シングルマザーが心の支えにしていること|拠り所が必要な時はどうする?

シングルマザーとして日々を過ごす中で、「今日も一日頑張れた」と思える瞬間や、困難な状況を乗り越える原動力となるものは何でしょうか。全国に約123万世帯あるシングルマザー家庭では、母親が一人で子育て、家事、仕事の全てを担うことが多く、心身ともに大きな負担を抱えています。そんな中で、多くのシングルマザーが自分なりの「心の支え」を見つけながら、前向きに生活しています。

厚生労働省の調査によると、母子世帯の半数以上が「相談相手がほしい」と感じており、心の拠り所を求めている現状があります。一方で、同じ境遇の人々とのつながりや、専門的なサポートを得ることで、困難を乗り越えている事例も数多く存在します。

本記事では、シングルマザーが実際に心の支えとしているものを具体的に紹介し、拠り所が必要な時にどのような方法で解決策を見つけられるかについて詳しく解説します。

目次

シングルマザーが心の支えにしていること

シングルマザーが日々の生活の中で心の支えとしているものは多岐にわたります。これから3つの主要な支えについて詳しく説明します。

その1:子供の存在と成長が最大の心の支え

シングルマザーにとって最も大きな心の支えとなっているのは、間違いなく子供の存在と成長です。子供の笑顔を見る瞬間、「ママ、ありがとう」という言葉を聞く時、子供が新しいことを覚えて嬉しそうにしている姿を見る時、そのすべてがシングルマザーにとって何よりも大きな力となります。

子供の日々の成長は、シングルマザーにとって計り知れない喜びと同時に、頑張り続ける原動力となります。「この子のために頑張らなければ」という責任感は、時として重荷になることもありますが、多くの場合、前向きなエネルギーへと変換されています

実際に、子育て中のシングルマザーを対象とした調査では、「子供がいるからこそ頑張れる」と回答する人が圧倒的多数を占めています。子供との何気ない日常会話、一緒に過ごす時間、子供の行事への参加などが、母親の心に安らぎと充実感をもたらしています

興味深いことに、シングルマザーの多くが「子供から学ぶことが多い」と感じています。子供の純粋さ、物事に対する前向きな姿勢、新しい環境への適応力などから、母親自身も強さや柔軟性を身につけていくのです

その2:仕事での充実感と職場での人間関係

シングルマザーにとって仕事は経済的な必要性だけでなく、心の支えとなることが多くあります。仕事を通じて得られる達成感、職場での人間関係、社会とのつながりは、子育て中心の生活に別の側面を提供してくれます。

安定した収入を得られることで、「子供に必要なものを買ってあげられる」「将来への備えができる」という安心感が生まれます。この経済的な安定は、心の余裕につながり、子供との関係にも良い影響を与えます

職場は子育て以外での自分の能力を発揮できる場所でもあります。同僚との会話、仕事での成果、スキルアップの機会などが、シングルマザーとしてではない「一人の女性」としてのアイデンティティを保つ助けとなっています

特に、理解ある職場環境では、同僚からのサポートや励ましが大きな心の支えとなることも多く報告されています。シングルマザーにとって働きやすい環境が整っている職場では、お互いに助け合う文化が生まれやすく、これが精神的な支援にもつながっています

その3:同じ境遇の仲間とのつながり・コミュニティ

シングルマザー同士のつながりは、他では得られない特別な心の支えとなります。同じ悩みを抱える人々との交流は、「自分だけではない」という安心感と、実践的なアドバイスの両方を提供してくれます。

同じ境遇にある人同士だからこそ理解できる悩みや喜びを共有することで、孤独感が大幅に軽減されます。「あの人も同じことで悩んでいるんだ」「こんな解決方法があるんだ」という発見は、日々の困難を乗り越える大きな力となります

現在、全国各地でシングルマザー向けのコミュニティが活発に活動しています。例えば、エスクル全国では13,000名を超えるひとり親が登録し、オンライン交流会や地域別イベントを通じて支え合いの輪を広げています

また、LINQURE(リンキュア)のようなシングルマザー専用のオンラインコミュニティでは、84名の参加者が安心してつながれる環境を提供し、「私はひとりじゃない」と感じられるサードプレイスとして機能しています

これらのコミュニティでは、単なる愚痴の言い合いではなく、建設的な情報交換や相互支援が行われており、参加者の精神的な安定に大きく貢献しています

シンママに拠り所が必要な時はどうする?

シングルマザーが特に心の拠り所を必要とする瞬間は様々ですが、そんな時にどのような対処法を取ることができるでしょうか。

緊急時の対処法

子供の急な体調不良、仕事での大きなトラブル、経済的な困窮など、緊急事態が発生した時には、まず冷静になることが重要です。そのような時こそ、事前に築いておいた支援ネットワークが力を発揮します。

厚生労働省では、ひとり親家庭生活支援事業として、地方公共団体が総合的な支援を行う体制を整備しています。具体的には、ひとり親家庭相談支援事業、生活支援講習会等事業、児童訪問援助事業などが実施されており、年間延べ30,000件以上の支援が提供されています

専門機関への相談

心の負担が重くなった時は、一人で抱え込まずに専門機関に相談することが大切です。自治体や民間団体が提供するカウンセリングサービス、メンタルヘルス相談などを積極的に活用しましょう

東京都ひとり親家庭支援センターはあとでは、ひとり親家庭や寡婦に対して生活相談、養育費相談、就業支援講習会、無料職業紹介等を行っています。このような専門機関では、経験豊富な相談員が個別の状況に応じたアドバイスを提供してくれます。

段階的なサポートの活用

困難な状況に直面した時は、段階的にサポートを求めることが効果的です。まずは身近な家族や友人に相談し、必要に応じて専門機関やコミュニティのサポートを受ける、というように段階を踏んでアプローチすることで、適切な解決策を見つけやすくなります

仲間を見つけることが大切

シングルマザーにとって、同じ境遇の仲間を見つけることは非常に重要です。仲間の存在は、日常的な心の支えとなるだけでなく、緊急時の具体的なサポート源にもなります。

現代では、様々な方法でシングルマザー同士のつながりを作ることができます。オンラインコミュニティから始めて、慣れてきたら対面の交流会に参加するという段階的なアプローチがおすすめです

ペアチル(PairChill)は、ひとり親限定のトークアプリとして、似た境遇のシングルマザー・シングルファザーと繋がれる環境を提供しています。このようなアプリでは、悩み相談、雑談、情報交換などができ、24時間いつでもサポートを求めることができます

ReRe(リリー)では、シングルマザーの約8割が「寂しいと感じたことがある」と回答したアンケート結果を受けて、シングルマザー向けのマッチングアプリやママ友探しアプリ「Shin-mama friends」を提供し、心の支えとなる仲間作りを支援しています

地域レベルでも多くの交流活動が行われています。松戸市では定期的にシングルマザー交流会を開催し、参加者同士が思いを共有したり情報交換したりできる場を提供しています。こうした対面での交流は、より深いつながりを築くきっかけとなります。

一度つながりを作った後は、継続的な関係を維持することが重要です。定期的な連絡、お互いの子供の成長を見守り合う、困った時に助け合うといった関係性を築くことで、長期的な心の支えとなる仲間関係が形成されます

また、自分が支援を受けるだけでなく、他の人をサポートする側に回ることも、自己肯定感の向上や充実感につながり、結果的に自分自身の心の支えにもなります

まとめ:仲間を探してみよう

シングルマザーが心の支えとしているものは、子供の存在と成長、仕事での充実感と人間関係、そして同じ境遇の仲間とのつながりが主要な要素となっています。これらは相互に関連し合いながら、日々の生活を支える重要な基盤となっています。

拠り所が必要な時には、一人で抱え込まずに段階的にサポートを求めることが大切です。身近な人への相談から始まり、専門機関の利用、コミュニティへの参加など、様々な選択肢があります。特に、厚生労働省や自治体が提供する支援制度は、シングルマザーの生活を総合的にサポートする重要な資源となっています

何より重要なのは、仲間を見つけることです。同じ境遇の人々とのつながりは、共感と理解に基づいた特別な支えとなり、孤独感の解消だけでなく、実践的な問題解決にも大きく貢献します。現在では、オンラインから始められる様々なコミュニティやサービスが充実しており、自分に合った方法で仲間を見つけることができます

シングルマザーの皆さんには、「一人で頑張らなければならない」という考えにとらわれず、様々な支援や仲間の力を借りながら、自分らしい充実した生活を送っていただきたいと思います。心の支えを見つけ、拠り所となる関係性を築くことで、より豊かで安定した日々を過ごすことができるはずです。

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本記事の監修者

森本 恭平のアバター 森本 恭平 運営者

東北大学法学研究科(公共法政策専攻)修了。幼少期は母子家庭で育った。東日本国際大学・福島復興創世研究所の准教授を経て、現在はデジタルマーケティング✖︎AIを専門にフリーランスとして複数の企業でアドバイザーを務めている。KADOKAWAドワンゴ情報工科学院、バンタンクリエイターアカデミーの講師。福島県総合計画審議委員会の審議員を歴任。

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