近年、「キラキラネーム」と呼ばれる個性的すぎる名前が社会問題として取り上げられる機会が増えていますforzastyle.com。キラキラネームとは一般常識から外れた読み方の名前のことで、子ども本人が読めなかったり他人に正しく読んでもらえなかったりするケースが多々あります。
なかでも有名なのが「泡姫」という名前です。
一体どのように読むのか、実在する名前なのか、なぜ避けた方が良いとされるのか――本記事では専門家の見解や公的な情報源をもとに、「泡姫」について徹底解説します。
キラキラネーム「泡姫」の読み方
結論から言うと、「泡姫」は「ありえる」 と読みます。この読みはディズニー映画『リトル・マーメイド』のヒロイン「アリエル」にちなむものと考えられ、泡(泡=Bubble)と姫(Princess)で「人魚姫=アリエル」を連想させる発想の名前です。
実際、2013年に赤ちゃん名づけサイトが発表した「キラキラネームランキング」で「泡姫(ありえる)」が堂々の1位に選ばれており、読み方の意外性が注目を集めました。トップ3の「黄熊(ぷう)」「姫星(きてぃ)」とともに、人気キャラクターから取られた読みが支持された結果でした。
しかし、「泡姫」という名前が話題になると同時に、その字面の意味や響きに対する懸念も生じました。漢字だけ見ると「泡の姫」、つまり「泡のお姫様」という意味ですが、実はこの言葉にはとんでもない隠れた意味があるのです。読み方が可愛らしい一方で、名前そのものがネガティブな連想を招きかねない点で賛否両論を巻き起こす可能性があるのです。
キラキラネーム「泡姫」は実在するのか?
結論から言えば、公的な統計で確認することは困難ですが、少なくとも報道で実例が一つ確認されています。2013年の「キラキラネーム」発表当初、この名前は突然ランキング1位に現れたものの、それ以前には全く話題に上がっておらず、当時は「本当にこんな名前を付ける親がいるのか?」と疑問視する声もありました。極端なキラキラネームは「さすがに現実には存在しないのでは?」との指摘も一部でなされていたのです。
ところが最近になって、実際に「泡姫」と名付けられた女性が存在することが報じられました。2025年3月の専門家解説記事によれば、ある女性は幼少期に「泡姫」と命名されたことで周囲から疎まれ、最終的には両親と絶縁する事態にまで至ったといいます。

このケースでは、当の女性本人が親を恨み名前に苦しんだ末の絶縁であり、実名かは伏せられていますが少なくとも「泡姫」という名前が現実に使われていた例といえます。また、その記事中で危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は「可愛い・面白い・個性的だからと突拍子もない名前を付けることが本当に子どものためになるのか疑問が残る」と述べており、改めて親の名付けを考え直す必要性を訴えています。
以上のように、「泡姫」という名前はかつては伝説的なキラキラネームとして扱われ半信半疑でしたが、現在では実在しうる名前として認識されています。
キラキラネーム「泡姫」はやめた方が良い理由
それでは、「泡姫」という名前を付けない方が良い3つの理由を以下に説明します。
理由1:読み方が非常識で公的にも認められない可能性が高い
まず、「泡姫(ありえる)」の読み方そのものが一般常識とかけ離れている点です。ご存じの通り日本の人名用漢字には読み方の制限は緩やかですが、それでも「泡姫」を「ありえる」と読ませるのは漢字の持つ意味や音訓と全く関連性がない極端な当て字です。
たとえば改正戸籍法に伴い法務省が示したガイドラインでも、漢字の意味と無関係な読みは認められないと明記されています。実際、2025年5月以降は戸籍に名前のフリガナを記載する制度が始まり、「一般に認められていない読み方」は受理されない可能性が高くなりました。つまり、「泡姫」を「ありえる」と読むような名前は今後公的に届け出ることすら困難になると考えられます。
この読み方は周囲に正しく読んでもらえないリスクが極めて高い点も問題です。キラキラネーム全般に言えることですが、漢字と読みがかけ離れていると学校や病院、役所などあらゆる場面で毎回名前の説明を要し、本人もストレスを抱えることになります。
「泡姫」の場合、一見して読める人はまずいないでしょうし、「アリエル」と聞いても漢字を思い浮かべるのは困難です。名前は人と人とを繋ぐ大切な情報ですが、その基本である読みやすさ・分かりやすさが欠如している点で「泡姫」は致命的だと言えます。
理由2:名前の意味が不適切でイメージが極めて悪い
「泡姫」は響きこそ可愛らしいものの、字面の持つ意味が重大な欠陥を抱えています。一番の問題は、「泡姫」という言葉が風俗業界の隠語として使用されている点です。【泡姫】とはソープランド(風俗店)で働く女性を指す隠語であり、要するに「泡姫(ありえる)=アリエルという名前のソープ嬢」という連想を招いてしまうのです。
ソープランドは泡風呂で接客を行う風俗店のことで、「姫」は風俗嬢の呼称として使われる俗語です。そのため、どんなに本人や親が純粋な気持ちで名付けたとしても、周囲からは風俗的な連想をされかねないのが現実です。
実際に2013年当時の報道でも、「泡姫と名付けられた女の子は中学生くらいで“ソープ嬢”とあだ名されるに違いない」と指摘されました。このように成長過程で周囲から冷やかしや誤解を受ける危険が極めて高いため、子どもの将来を考えると避けるべき名前だと言えます。

理由3:子どもがいじめや差別を受けるリスクが高く将来後悔する
極端なキラキラネームは、子ども本人が生きづらさを感じる原因になると多くの当事者たちが証言しています。実際、「幼い頃から名前のせいでいじめを受け、大人になると名前を名乗ることが更に恥ずかしくなった」という声や、「就職活動で名前を見ただけで面接官に敬遠された」という事例まで報告されており、深刻な社会問題となっています。名前は本人の努力では変えられないため、子どもは無用なハンデを背負わされているのと同じです。
「泡姫(ありえる)」という名前も例外ではなく、先述の通り実際にこの名を付けられた女性は両親との断絶にまで至っています。彼女の場合、成長するにつれて自分の名前に強い違和感や嫌悪感を抱き、改名を考えるほど追い詰められたと伝えられます。
また、社会的信用や評判にも影響します。キラキラネーム全般について、企業の採用担当者から「常識をわきまえない親に育てられた印象を受ける」「協調性に欠けそう」などとネガティブに捉えられたという話もあります。
まとめ:誤解される名前はやめとくのが無難
「泡姫(ありえる)」はファンタジックで可愛らしい響きの名前ですが、読み方・意味・社会的影響のどれを取ってもデメリットが大きいことがお分かりいただけたでしょう。
漢字の読みは一般常識から逸脱し、名前の意味には好ましくない連想が付きまとい、子どもがいじめや偏見にさらされる恐れが高まります。実際、キラキラネームを付けられた当事者の多くが自分の名前に悩み苦しんでいる現状があります。
こうした背景から、法律の整備も進みつつあり、社会的にもキラキラネームを見直す機運が高まっています。何より、子どもの人生は親の自己満足より尊重されるべきです。極端な名前を授けることは「親からの呪い」とまで形容する声もあるほどで、将来に禍根を残しかねません。
幸い日本には美しい伝統的な名前や読みやすい名前が数多く存在します。他者に誤解される恐れのある名前は避けるのが無難であり、子どものためにも賢明な選択と言えるでしょう。
参考文献・情報源:
- リセマム「2013年ベスト・オブ・キラキラネームは『泡姫(ありえる)』」resemom.jpresemom.jp
- 日刊ゲンダイDIGITAL「『泡姫』『今鹿』…親しか読めない2013キラキラネーム」nikkan-gendai.com
- 法務省戸籍法改正に関するガイドライン(北海道赤平市サイト)city.akabira.hokkaido.jp
- FORZA STYLE専門家解説「私の名前、泡姫って読めますか? キラキラネームは親からの呪い」forzastyle.comforzastyle.comforzastyle.com
- CAMPFIRE掲載「最悪のキラキラネーム(1)」mobile-app.camp-fire.jpmobile-app.camp-fire.jpmobile-app.camp-fire.jp
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